物言わぬcomma

Almost anything you do will be insignificant, but you must do it. We do these things not to change the world, but so that the world will not change us.

2020-01-01から1年間の記事一覧

日本学術会議の問題に関する簡単な論点整理

次から次へと「小説の中のような」出来事が起こる毎日である。菅政権が日本学術会議の会員の任命の一部を拒否した問題が、連日報道を賑わせている。早くも、論点ずらし、論点のすり替え、デマ、プロパガンダの類が溢れかえっている。ここでは、自分の備忘録…

「なんでも反対ばかり」という言葉の危険性について

安倍首相が辞任し、菅官房長官が自民党総裁に選ばれ、新たに首相となった。一方で、野党では旧立憲民主党と旧国民民主党が解党され、新立憲民主党と新国民民主党が誕生した。本稿では、「野党」に対して近年よく用いられるようになった「なんでも反対ばかり…

噛み合わない記者会見の構図:質問への不回答・質問内容の誤解

大阪府、大阪市、大阪大学、大阪市立大学を中心とした新型コロナウイルスに対するワクチンの開発が話題になっている。ここ1週間で様々な報道がなされているが、その中で作為か不作為によるものかはわからないが、議論が噛み合っていない点が散見されたのでま…

医療崩壊報道の検証記事

先日、『噛み合わない議論の構図:「医療崩壊」という言葉の定義』という記事を執筆した。 lambda-abstraction.hatenablog.com その後、少しずつではあるがこの騒動を検証した記事がメディアに登場し始めている。 www.dailyshincho.jp lite-ra.com 同じ騒動…

何かを支持すること、あるいは自己正当化という歪んだ眼鏡

コロナウイルスが日本を襲い始めてから数ヶ月がたち、コロナウイルスに対応する各都道府県の知事について様々な報道がなされている。今回は、この各知事のコロナウイルスへの対応に関するSNS上での多くの人の反応に接して感じたことについて述べたい。特定の…

噛み合わない議論の構図:「医療崩壊」という言葉の定義

0. はじめに ここ数日、愛知県の大村知事による東京と大阪に医療崩壊が起きているという発言がメディアを賑わせている。現在までの流れを整理すると次のようになる。 大村知事の会見内容が新聞で報道される Twiiter上で吉村府知事が反論する その反論に対し…

〇〇なんて意味がない:苦手なものへの反応の一形態

自分が苦手なものと出会ったときにどのような行動をとるだろうか? 努力して克服する、目を背ける、教えを請う、様々な解答が頭に浮かんだだろう。ここでは、従来は見過ごされがちな、「苦手なものの欠点を指摘する」という行動について考えてみたい。苦手だ…

専門家と大衆と噛み合わない議論と私

数ヶ月前だろうか、近年急速に受講者数を増やしている大学受験生向け予備校の映像授業のCMが話題になった。CMという限られた時間の中で、リスニングのコツについて述べるものだった。具体的には、弱形と呼ばれる現象を扱ったものである。 このCMでの弱形の扱…

授業料返還運動についてあれこれ

コロナウイルスが世界中に影響を及ぼし始め、もう数ヶ月がたとうとしている。そんな中、多くの大学の学生が中心となり、授業料返還を要望する署名活動が行われている。いくつかの署名活動の文面を読んだが、言いようのない違和感を覚えてしまった。その理由…